FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

最新号
2024年2月号(2)
住宅・不動産
CFP®認定者 山本 美紀

ファミリー層のマイホーム購入時の事前チェックポイント

 子どもの誕生や成長とともに購入意識が高まる「マイホーム」について、知人などから購入した話を聞いたり、住宅ローン金利の上昇のニュースに接したりすると気持ちに焦りが生じることもあると思います。しかし、マイホームの購入は人生において非常に大きな買い物であり、簡単に住み替えられるものではありません。そこで今回は、家族が安心・納得して住み続けられるマイホームを購入するために事前に確認しておきたいポイントについてお伝えします。

マイホームの平均購入価格

 住宅の販売価格は、地域や土地・建物の広さなどの要因に左右されるほか、昨今では建築資材の高騰などにより上昇傾向にあります。住宅金融支援機構が実施した「フラット35利用者調査」(2022年度)によると、住宅購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が4,694万円、建売住宅が3,719万円、マンションが4,848万円となっています。これらの価格は、すべて新築住宅のものですが、購入を検討するに当たっては、中古住宅も選択肢に含めるかどうかで資金計画が異なります。

ライフイベントや家族の状況を長期的に検討

 せっかくマイホームを購入するならと、家族全員の希望を取り入れたくなりますが、家族そろって暮らす時間というのは、長い人生を考えると実はそれほど長くありません。子どもは成長とともにライフスタイルが変化して将来的に独立することを考えると、子どもが独立した後の夫婦の住まいについてもあらかじめ話し合っておく必要があります。想定できる範囲で、家族のライフイベントや子どもの進学先も踏まえたライフプランを立て、そのうえでどのような住宅が最適か検討することが大切です。

資金・返済計画を立てる

 一般的に、住宅購入には多額の資金が必要となるため、住宅ローンを組むことが考えられます。その場合は、長期にわたるローン返済を見据えて、現在の収支状況と今後のライフプランを基に、将来的な収入と支出の見込みや貯蓄状況などを把握できるキャッシュフロー表を作成しましょう。子どもの成長とともに生活費や教育費の負担も増加していくため、現時点で返せる金額だからと無理をして住宅ローンを組むことは避けたほうがよいです。支出がピークになる時期でもローン返済が十分可能かどうか、また、完済時の年齢にも注意が必要です。収入の減少が考えられる定年退職以降も住宅ローンの返済が続く場合は、家計の圧迫につながります。

立地や子育て環境の情報収集は早めに

 間取りなどの条件が良い物件でも、日々の生活や子育てに適した環境が整っていないと、暮らしの満足度は下がってしまいます。特に、小さな子どもがいる夫婦共働き世帯の場合は、物件や最寄り駅の近隣に保育園があるかどうか、また、入園が可能な状態か否かなども情報収集のポイントになります。具体的に物件を探し始める前に、居住エリアや生活環境などの情報を集めて、家族が望む暮らしが実現できる地域をある程度決めてから物件探しをすると効率的でしょう。

まとめ

 マイホームの購入は、金銭的にもその後の暮らしにも大きな影響を与える人生の一大イベントです。無理をして住宅ローンを組んでしまうと、その後の暮らしが苦しくなったり働き方が制限されたりする可能性もあります。また、日々の買い物や通勤・通学など物件の周辺環境に不安な点があると生活の快適さが損なわれてしまいます。マイホーム購入において何より大切なのは、家族全員が安心・納得して住み続けられることです。そのためには、購入価格や住宅ローンを組む年齢、今後のライフイベントなどについてご夫婦やご家族で話し合い、事前の情報収集と資金計画をしっかり立てたうえで満足できるマイホーム購入を検討していきましょう。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。

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