FPからのメッセージ

相談経験豊富な3人のFPによる、今伝えたい「お金にまつわるメッセージ」。
それぞれの観点から見えてきた「戦略」を、3回にわたってご紹介します。

夢を実現させるための第一歩は「ライフプラン」から

戦略1:ライフプランの作成・家計の把握 ~夢のある将来を描こう~

 「ライフプラン」という言葉、一度は耳にした方も多いのではないでしょうか。  どうなるかわからない未来のためにプランを立てることは本当に必要なのか?CFP®認定者の三輪鉄郎氏にその重要性を教えていただきました。

ライフプランはなぜ大切なのか

三輪鉄郎氏(CFP®認定者)

『人生100年時代』とよく言われるようになりました。もちろん、この100年の長い人生をただ生きるのではなく、充実したものにするには、まず「健康」が大事です。さらに「生きがい」も必要です。そして、「健康」と「生きがい」を支えるのが「お金」の力。この3つのどれが欠けても充実した人生を送ることはできません。
 昭和40年の平均寿命を調べると男性は約68歳。日本の経済成長を担いながら懸命に働いて、自身も豊かになってリタイア、60歳から年金をもらって数年余生を送るという、いわば「短距離型」の人生でした。

 一方、100年時代は「長距離型」です。駅伝のようにはっきりゴール地点が分かっていればいいのですが、人生はそうではなく、むやみに走ってもゴールには着けません。人生の最終的な終着点を考えて、何年後はこうしたい、こう生きたい、という計画が必要になる。それがライフプランになっていきます。
 自分が人生の主人公、オーナーである以上、ぜひ考えてもらいたいのが「ライフプラン」。これはこれから重要なキーワードになってくるでしょう。

 人生にはいろいろなライフイベントがあります。例えば、住宅購入。この局面だけをとらえて頭金を準備してローンを組むのではなく、ライフプラン全体から落とし込んでいく。つまり“縦”ではなく、人生という長い時間軸を“横”にとって考えるのです。
 家を建てる時には構造計算をしたうえで設計図を作ります。それから柱や、ドア、キッチンなど各パーツをどうするか考えていくはず。感覚だけでバラバラにパーツを揃えても、いい家は建ちません。人生においても「ライフプラン」という名の、いわば人生のマスタープランに基づく必要があるのです。家の設計図からパーツを決めていくように、人生のマスタープラン、つまりライフプランを基に、各ライフイベントに落とし込んで詳細な検討をすることが大事なのではないでしょうか。

ライフプラン

 ライフプランがしっかりしていれば、資産運用や住宅ローンでも合理的な判断もでき、結果的に不安や後悔もある程度小さくできます。明るく生きられるのではではないかと思います。それはキャリアを考える時にも同じこと。「何がなくてもライフプラン」、これがすべての根幹になると思います。
 私は例えば住宅ローン相談でも、ライフプラン相談の一部だと捉え、まずキャッシュフロー表を作ります。そのうえで「いくらぐらいのご予算だったらできます」、「いくらだったら厳しいですね」と進めることで、おのずと適合的な住宅購入計画が浮かび上がってきます。
 2泊3日の出張でも計画を立てるのに、人生だけが成り行きまかせでいいはずはありません。先行きの見通しを考えるのに、絶対ライフプランはあったほうがいいのです。

夢のある人生の実現に向けて

 夢は実現したいと思った人しか実現できないもの。気がついたらエベレストの頂上に立っていた人はいません。体を鍛え、資金や支援のスタッフを集めてと、全部計画を立ててやっとの思いで登頂できる。このように自分が何をしたいのか、どう生きたいのか、1度でいいから突き詰めて考えてはどうでしょう。
 個別の事情はあるでしょうが、幸い今の日本はやりたいことを見極めて努力すれば、いろいろなことが叶う環境にあります。時間を味方につけて努力し続ければ実現は不可能ではないはず。

ぜひ、夢やこう生きたいという目標を探し、そのためにどうすればいいかというライフプランをしっかり立てて、充実した人生を送ってもらいたいと思います。

2つ目の戦略は「お金の生涯学習」
「大人になっても学び続ける必要性」を語っていただきました。
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