ミニコラム:FPと考える”家計戦略”
知っておきたいファイナンシャル・プランニングの基本を、お金について学んでいる金子さんがFPから教わるミニコラムです。ライフステージに合わせて、人生100年時代の観点から「戦略」を考えていきます。
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いま注目される「リカレント教育」とは
Q:「リカレント教育」って?
「教育」と言ったら子どものものというイメージがあるけど、大人にも「リカレント教育」という言葉があって、そのためのお金も考えたほうがいいらしい。……一体どういうこと?
金子さんとは?
出版社勤務の30代。社内異動でこの春から経済誌担当になったもののお金のことはさっぱり…。「人生100年」や「老後資金2,000万円不足問題」をキーワードに取材を重ねる中、自身のお金の知識に不安を感じるように。FPにレクチャーを受けながら、目下お金の勉強中。
「リカレント」は英語で「繰り返し」を意味し、「生涯を通じて就労と就学を繰り返し行うこと」が「リカレント教育」の定義とされています。長寿化によって私たちの働く期間は長くなり、IOTなどの技術革新が仕事で求められるスキルや働き方に変化をもたらしました。
こうした時代の流れから、社会人となった後も主体的に学びを続け、仕事に必要なスキルを磨いていく「リカレント教育」の重要性がいま注目されているのです。
理想のキャリアプランを実現するためにとりくみたいリカレント教育
社会人人生においてターニングポイントは何回かやってきます。例えば30歳前後は多くの人にとって転機を迎える時期です。仕事を一通りこなせるようになり、後輩を指導育成する立場になりますが、この先専門職と管理職のどちらの道に進むのか岐路に立たされるタイミングでもあります。プライベートでは結婚・出産などのライフイベントを迎える人も多いでしょう。こうした転機には一度立ち止まって、これまでのキャリアを見つめ直し、今後のライフプランやキャリアプランについて考えることが大切です。
現在の勤務先で管理職を目指す、専門性を高めて収入アップを狙う、家事・育児との両立を求めて転職するなど、自分が望む生き方・働き方を実現するために、働きながら学び続け、実務に役立つスキルを磨いておくことは理想のキャリアプランを手に入れる大きな武器になります。
リカレント教育にかかる費用と活用したい「教育訓練給付金制度」
社会人になってからも学びを続ける方法はいくつかあります。大学や大学院、資格学校などの教育機関に通う、通信制やオンラインの講座を受講するなどさまざまですが、場合によっては数十万円~数百万円ほどの費用を見込んでおく必要があるでしょう。いざ「学びたい」と思った時に「先立つものがない」とならないよう、社会人になったら自己投資も意識した貯蓄を始められると理想的です。
さらに、雇用保険から給付される「教育訓練給付金」を活用して費用負担を抑える方法もあります。厚生労働大臣が指定する講座を受講し、要件を満たした場合、申請により受講費の一部を給付金として受け取ることができる制度で、パソコンスキルから資格取得に向けたものなど、講座の内容は多岐に渡ります。
詳細は厚生労働省のホームページで確認できるので、リカレント教育に取り組む人はこうした情報も事前にチェックし、活用していきましょう。
厚生労働省「教育訓練給付制度」
まとめ
人生100年時代に充実した人生を送るためには、将来訪れるさまざまなライフステージに順応できるキャリアチェンジ能力が求められてくるでしょう。そのためには長期的なビジョンで理想のライフプランを描き、自己研鑽と資金面での備えを常日頃から主体的に行っていきたいものです。
- ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
- ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。