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2024年7月号(2)
保険
CFP®認定者 田中 友紀

海外での「万が一の事態」に備えよう~海外旅行保険加入のすすめ~

 今年の夏休みに海外旅行を計画している人も多いのではないでしょうか。
 海外旅行へ行くと決めたら、荷物やガイドブックとともに、ご準備いただきたいのが海外旅行保険です。海外旅行保険は、海外旅行中に被った病気やけが、盗難などに備える保険です。海外の滞在地や往復の航空機内だけでなく、自宅と空港間の移動中といった日本国内で発生した事故についても補償対象となり、加入しておくと非常事態の助けになります。今回は、海外旅行保険加入の目的や選び方のポイントについて解説します。

海外旅行保険加入の目的

 まず、日本と海外の健康保険制度には違いがあることを認識しておきましょう。日本の医療保険制度は、国民皆保険制度です。そのため、医療機関受診時の窓口自己負担は一部負担で済みます。また、高額療養費制度により自己負担額にも上限が設けられていて、上限額は年齢や所得状況等により異なります。  一方、保険制度の異なる海外では、医療費が高額になる可能性があります。例えば、海外で虫垂炎の手術を受けると、国によっては数百万円の費用がかかる場合もあります。海外療養費制度により、病気やけがなどで現地の医療機関を受診した場合、帰国後に健保組合等に申請することで、一部、医療費の払い戻しを受けられますが、現地では、一時的に全額を負担することになります。また、払い戻しの対象は、日本国内で保険診療と認められている医療行為や薬に限られ、日本国内で同じ治療をした場合にかかる治療費を基準に計算されるため、その基準を超過した額はそのまま自己負担となります。それ以外にも、不測の事態が起きた際に、想定外の費用がかかります。そのような事情から、海外での急な病気やけがには別途備えておくと安心です。

海外旅行保険を選ぶポイント

 海外旅行保険には、各種のリスクを総合的に補償する商品と、必要な補償だけを選んで加入する、いわゆるバラ売り型の商品があります。また、クレジットカードの種類によっては、海外旅行保険が付帯されている場合がありますので、クレジットカードを所持している人は、付帯サービスを確認してみましょう。クレジットカード付帯の海外旅行保険は「自動付帯」と「利用付帯」の2種類あります。クレジットカードを所持しているだけで自動的に保険適用となる「自動付帯」なのか、旅行代金などを該当のクレジットカードで支払うことが条件となっている「利用付帯」なのかも併せて確認しておきましょう。
 では、どのように海外旅行保険を選べばよいのでしょうか。海外旅行保険を検討するうえで、以下の点を目安に補償が十分かどうか確認しましょう。

主な
補償内容
死亡(病気やケガによる死亡)、後遺障害 治療費用(病気やケガの治療費) 救援者費用(家族が現地に駆けつけるための渡航費) 賠償責任(誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊して法律上の賠償責任を負った場合) 携行品損害(持ち物の盗難、破損) 航空機遅延費用(航空機の遅延により発生した宿泊代・食事代などの自己負担額) 等
補償金額 各補償内容について、補償金額が足りているかどうか
賠償責任や携行品損害については、免責金額も確認する
補償対象 本人のみ、又は家族なども含まれるか
補償条件 適用条件を確認する

 上記の主な補償内容に加えて、現地の病院や医師の紹介、医療通訳の手配、キャッシュレス治療の手配等のサービスを提供している保険商品もあります。自身が安心して海外旅行を楽しめるよう補償内容を検討していきましょう。

海外旅行保険の加入方法

 クレジットカードに付帯されている場合には、別途、加入手続きは必要ありませんが、自身で加入する場合は、保険会社の窓口や旅行代理店でも加入でき、インターネット割引が適用される商品もあるため、インターネット申し込みがお勧めです。また、旅行当日に空港カウンターで加入することもできます。その場合、事前割引が適用されないことや、自宅から空港までのトラブルが補償されない等のデメリットもあります。
 渡航先によっては、入国時に海外旅行保険加入証の提示が求められることもあるため、加入後は、保険の加入証明書を携帯しておきましょう。

まとめ

 保険は、発生する可能性は低いけれど、発生するとまとまった金額が必要になる事態に備えるためのものです。その点、海外旅行と保険加入はセットで考えた方が安心です。何事もなく帰国したら、保険は加入しなくてもよかった、と感じるかもしれませんが、海外へ旅行する際は、安心のお守りとして検討してみてはいかがでしょうか。

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