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2023年4月号(2)
住宅・不動産
CFP®認定者 松田 奈己

知っておこう!現物不動産投資の種類と方法

 最近では若年層が不動産投資に興味を持つ傾向がみられます。その背景にはローン融資が受けられる、家賃収入が見込める、物件が資産になるなどの特徴があることが考えられます。不動産投資と言ってもその種類や方法は様々です。今回は、不動産投資の中でも実際に物件を所有する現物不動産投資の代表的な種類と方法について解説します。

区分か一棟か

 区分投資は建物内の一部屋を所有して貸すもので、代表格に区分マンション投資があります。区分マンション投資では、相対的に取得価格が低い、共用部の維持・管理の手間が少ないといったメリットがあります。一方でマンションの管理費・修繕積立金や貸室の管理委託を行う場合の管理委託費などの費用がかかるといったデメリットがあり、実質利回りは低くなる傾向があります。また、複数物件の投資を行わないと分散効果が得られず、空室時に収入が入らなくなる空室リスクが高くなります。
 一棟投資は建物一棟を所有して貸すもので、代表格に一棟マンション投資や一棟アパート投資があります。一棟投資では、複数の部屋による分散効果がある、管理運営の方法に自由度があるといったメリットがあり、区分投資と比較して高めの実質利回りが見込まれます。一方で、相対的に取得価格が高い、管理運営に手間がかかるといったデメリットがあります。また、複数の部屋による分散効果はあるものの複数物件の投資を行わないと立地の分散効果は得られません。

現金購入か金融機関融資を受けるか

 投資物件を所有するにあたり、現金購入なのか金融機関の融資を受けるかの検討が必要です。現金購入であれば、空室時や家賃低下時に発生する返済への不安は軽減されます。現物不動産投資は多くの場合、初期費用が高額となるため、現金購入で行うケースはあまり多くないと言えます。金融機関の融資を受ける場合、自己資金に対して大きな投資金額となりレバレッジ効果がある、家賃収入でローン返済を行い資産形成ができるといった魅力があります。一方で、融資の審査、金利変動リスク、長期に渡る返済などを検討しておくことが必要です。

投資か事業か

 不動産賃貸は「投資」ではなく「事業」という考え方もあります。株式投資などで考えられるような金銭的なリスク・リターンだけではなく、現物不動産を貸す以上、物件の修繕義務や使用収益させる義務など借主に対する義務に加えて、マンションやアパートの瑕疵によって損害を与えた場合には損害賠償責任を負うといった土地工作物責任があります。不動産賃貸をサブリースや包括的な管理委託にしたとしても貸主として上記のような義務や責任があることには注意が必要です。

まとめ

 現物不動産投資を始めるには代表的な種類や方法、それぞれのメリット・デメリットを理解することが不可欠です。また具体的な資金計画と将来的なシミュレーションを数字で見据えることも重要です。まずは書籍やインターネット、各種セミナー、公的機関情報等を利用して現物不動産投資についての情報収集を行うことをお勧めします。

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