バックナンバー

2019年12月12日

FP誕生の礎「シカゴ会議」から50周年を迎える

1969年12月12日、シカゴのホテルの一室に13人の米国の金融関係者が集い、銀行・保険・証券といったそれぞれの分野の垣根を超えた、新たな「FP」という概念や職業について話し合いの場が持たれました。会議を呼びかけたのは、コロラド州出身のローレン・ダントン氏。セールスマンとして長年のキャリアを築いた後、単にどれだけ販売実績を上げるかということより、お客様の立場に立ったカウンセリング・サービスや長期的な顧客関係に関心を持ち、のちに「FP業の父」と呼ばれた人物です。この「シカゴ会議」をきっかけに、CFP®資格制度の基盤となる3つの重要な組織※1が設立されました。
これらの組織は改編を経て、現在のCFPボード(米国内のCFP®資格審査試験の実施と資格認定を行う非営利組織)、FPSB(CFP®資格を世界の生活者に一層信頼されるグローバルライセンスにするために発足した非営利組織。CFPボードを含む世界各国・地域のCFP®認定組織がメンバーとなっている)、FPA(米国最大のFP会員組織)へと繋がっています。
1973年には、世界で初めてのCFP®認定者42人が誕生。1984年、オーストラリアで米国外の国・地域として初めてのFP組織(IAFP)が設立、1990年にCFP®資格制度が導入されました。1992年には、オーストラリアに続き、日本FP協会が世界で2番目にCFP®資格制度を導入しています。
近年のFPを取り巻く動きとしては、2017年にオーストラリアでFPが専門職として認められる法案が成立、2020年6月には米国CFPボードにより、米国のCFP®認定者に対するフィデュ―シャリー基準を拡大する規程が適用される予定です。
現在、世界のCFP®資格導入国・地域は24カ国、CFP®認定者数は181,000人を超えています(2018年末時点)。2019年12月にFP誕生の礎となった「シカゴ会議」から50年もの時が流れましたが、専門職としてのFPとCFP®資格の普及と認知は、世界的に広がり続けています。

※1 3つのFP関連組織(当初)
・SFC(Society for Financial Counseling):金融サービス業界の企業からなる非営利団体
・IAFP (International Association of Financial Planning) :金融業界で働く個人からなる会員組織
・カレッジ (College for Financial Planning):CFP®資格の教育・試験実施機関

米国のFP組織の発祥・変遷(詳細)については、こちらの図表をご参照ください。

上へ