商品先物取引は慎重に!

商品先物取引の特徴と注意点

商品先物取引は、価格変動のリスク回避に活用できる反面、極めてハイリスク・ハイリターンの取引です。その仕組みと特徴をよく理解することが大切です。

少ない投資で大きな取引、大きなリスク
・・・証拠金、レバレッジ

取引に入る段階では「証拠金」という担保金が必要です。これを預けることによって、証拠金の10倍や20倍といった大きな取引ができるため相場の変動による利益が大きい半面、思惑が外れたときの損失も多額になります。このような少ない投資金額で大きな取引ができることを「レバレッジ」と言います。

先物取引ではありませんが、同様に少ない資金(証拠金)を担保にしてレバレッジ効果をねらった金融商品に「外国為替証拠金取引」(FX取引)があります。

証拠金が不足すれば追加が要求される
・・・追証

損失が発生し、証拠金に一定以上の不足が生じた場合、追加の証拠金(取引追証拠金、略して「追証(おいしょう)」と言われます)が必要になります。

損していても売買の期限には決済される
・・・反対売買、手仕舞い

あらかじめ将来に売買する日を約束した取引ですので、その期日が来れば決済されてしまいます。また、約束期日以前であれば、いつでも反対売買(買っていたものを転売し、または売っていたものを買い戻すこと)をして、取引開始時点と反対売買時点の商品価格の差額を清算して取引を終了(差金決済)することができます。これを「手仕舞い」と言います。もし損失が大きければ、決済に多額の金額が必要になってしまいます。

仕組みが分からないなら取引しない
・・・不当な勧誘

先物取引の仕組みは複雑です。取引の仕組みやリスクがよく理解できない場合は、手を出さないほうが賢明でしょう。また、夜間・早朝、勤務時間中などでの迷惑な電話や訪問による業者のしつこい勧誘は、法律で禁止されています。「いやだな」と思ったら、きっぱりと断るようにしましょう。

ライフプランに見合った運用を!

こうした取引を考える場合、「儲かる」「損をする」という視点にとらわれがちですが、ライフプランニングの観点からは、ご自身のライフプランを基にして、使う目的に合わせた貯蓄、投資などの運用方法を考えることが重要です。「生活に必要な資金の運用方法としては適切ではない」と言えるでしょう。

ハイリスク・ハイリターンを求めるならば、次の点をよく確認しておきましょう。

  • 老後資金も含めた将来の使途・目的があるもの以外の本当の余裕資金であること。
  • 投入金額を決めておくこと。
  • 許容できる損失の範囲を明確にしておくこと。

ご自身のライフプランニングに適した運用方法かどうかを考え、商品のリスクを十分理解し、自己責任のもとに、運用可能な範囲内で行うことが大切です。

上へ