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SGネクスト

活動報告
  • テーマ

    投資信託の歩みとこれからの賢い付き合い方

  • 日程

    2026年5月9日(土)

  • 時間

    15時30分~17時30分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    四谷地域センター 11F 集会室2

  • 講師

    高橋 智之(タカハシトモユキ)氏 /CFP
     SGネクストメンバー
     FINANCE BACE代表
     野村アセットマネジメント(株)に入社後、主に日本の中・小型株を
     対象とする株式投資信託や日本初の1兆円超えアクティブ型株式投資信託の
     ファンドマネージャーとして資産運用業務に20年以上にわたり携わる。
     その後、株式運用部長、日本株アクティブのチーフ・インベストメント・
     オフィサー(CIO/最高投資責任者)を歴任後、グループ内の投資信託等の
     評価&投資助言など資産運用サービスを提供する会社の取締役を経て退職、
     現在に至る。

  • 課目

    ・金融資産運用設計

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計14名

  • コメント

     投資信託の歴史的変遷を振り返り現状の市場構造を把握した上で、資産形成の実践的な提案を紹介。
     投資信託の起源は、1868年にロンドンで設立された外国債券ファンド。1924年に米国でオープンエンド型の仕組みが確立し、小口資金を集めて分散投資を行う本来の機能により飛躍的に発展した。1990年代にETFの登場で、リアルタイムな売買やインデックス運用の圧倒的な低コストにより革命がもたらされ発展が加速した。市場規模では、米国が約半数で圧倒的な規模、次いで欧州、アジアと続く。
     日本の投資信託は、1941年の野村證券に始まり、戦後1951年に証券投資信託法が施行され、近代的な歴史が本格的にスタートした。1960年代の高度成長期に拡大し、1980年代後半のバブル経済による株価と地価の急騰の中で更に拡大した。多くの個人資金が市場に流入し、証券会社による販売競争が激化、元本割れリスクの説明や理解が不十分なまま市場規模だけが膨張し、1990年代初頭にバブル崩壊。株価暴落に伴う多額の評価損と解約の連鎖により信頼が大きく失墜し、その後の情報開示やルール厳格化につながった。2000年代以降は低コストのインデックスファンドが台頭し、金融庁の指導や投資家リテラシーの向上によって手数料の透明化・低廉化が進み、ネット証券の普及や直販投信も登場した。2014年のNISA導入で投資への心理的・経済的ハードルが大きく下がり、2017年のiDeCoの加入対象範囲拡大で本格的な自助努力による年金形成の時代が到来した。2026年には日本の投資信託残高が300兆円の大台を達成した。
     世界の投資信託純資産総額は約88兆ドル規模に達しており、北米で全体の57%を占めている。日本も過去最高水準を更新し続けていて、若年層・資産形成層からの安定的な資金流入が市場を下支えしており、長期保有・積立への転換が鮮明になっていて、全世界株式(オールカントリー)やS&P500連動型が牽引役となっている。商品をタイプ別に分類すると、積極的な値上がり益を追求する株式ファンド、安定した収益を目指す証券ファンド、分散効果でリスクコントロールが容易なバランスファンド、中リスク・中リターンでインフレに強いREIT(不動産投資信託)などがある。投資地域別に分類すると、為替リスクが無く安定基盤として機能する国内株式・債券、透明性が高く安定成長が期待できる先進国、高リターンだがリスクも大きい新興国、リバランスの手間を省き長期投資の王道である全世界株式がある。販売チャネルの変遷をみると、1990年代に証券会社の対面販売に加え銀行窓口販売が解禁となり、2000年代にネット証券が急成長して低コスト・プル型へ移行し、2010年代はロボアドバイザーや直販投信が若年層を開拓し、2020年代になると低コスト化が進んで商品の差が縮小することで組み合わせ等のアドバイス業務が重要視されるようになった。日本の投資信託市場は大きな転換期を迎えていて、高コストの是正と投資家本位の販売体制の確立が急務であり、一方で金融教育の普及とテクノロジー活用が市場拡大の鍵となる。
     一般投資家への実践的な提言をする上で、何を買うか以上にどう運用し続けるかという戦略が重要となる。基本原則は、長期・分散・低コスト・積立、特に低コストと自動積立の仕組み化が成功の鍵となる。何のためにいくら必要かから逆算し漠然とした不安を具体的な計画へ変換、新NISAとiDeCoの税制優遇を最大限活用する。年代別ポートフォリオを考えると、20~30代前半では成長重視の長期投資、30代後半~40代では成長性維持で価格変動リスク抑制フェーズへ移行、50~60代半ばではリタイヤへの準備を意識したバケット戦略を進める、定年後~70代前半ではインカム資産のシフトと取り崩しや予期せぬ大型出費の考慮、それ以降は長寿リスク管理期となる。伝統的資産である株式・債券のコア資産に、サテライト資産としてオルタナティブ資産を戦略的に加えることで、リスク分散効果を高めつつインフレ耐性のあるポートフォリオを構築可能。例えば、インカム源のREIT、インフレヘッジとして金などのコモディティ、成長期待枠として暗号資産をそれぞれ少量保有するなど、リスク許容度に応じた配分を行うことで効果が得られる。